あこがれの占い師を目指して

私は高校生の頃に出会った占いの影響で、占い師になりたいと思うようになりました。その頃恋愛でとても悩んでいたのですが、占い師に占ってもらったことで見方が変わり、心がとても軽くなり、落ち着いて過ごせるようになった経験があります。今思えばしょうもないことで悩んでたなと思うのですが、その当時真剣に悩んでいた私にとって占い師の人は神様にも見えました。
そんなことがあり、私も悩んでいたり困っている人たちの力になりたい、私が救われたように他の人も救いたいと思って占い師を目指して占いの勉強を始めました。占い師は資格などがなく、実力次第で誰でも活躍できる世界だというので、自分にもチャンスがあると思いました。しかし、それを友人などに話すと、すごく否定されました。否定というか馬鹿にしたような感じで、占い師を目指した私だけでなく、占い師として活躍している人や占い自体も馬鹿にしていてとても悲しくなりました。

それで諦めたわけではないのですが、まっすぐと占いに向き合えなくなってしまい、占いの勉強も手につかなくなってしまいました。悩んだ私は再度あの占い師のもとに行きました。今度は相談とか占ってほしいという気持ちより愚痴を言いたいという気持ちが強かったです。占い師さんだってあの話を聞いたら悲しくなるに決まっているにも関わらず、私は友人たちに言われたことをそのまま占い師に話してしまいました。すると占い師は「あなたは世間体を気にしているの?」と聞いてきました。よく分からずに言葉に詰まっていると、「そのご友人が言った言葉は正しくはないけど間違ってもいないのよ。占いなんて結局は人の悩みを食い物にしている仕事だからね。それに占いなんて非科学的なものを使っているわけだし、馬鹿にされても仕方ないの。それでも私たちは占い師という仕事に誇りを持って生きてる。たとえ誰に何を言われても、それこそ生みの親に反対されたって私は占い師という仕事を誇れる。あなたは?あなたを気遣ってくれる周りの人全てが否定しても自信を持って占いに携わりたいと言える?」そう話してくれました。そこで冷静になって考えてみました。確かにそこまで占いに興味があったわけではありません。でも占いに救われたと思った気持ちは本当です。そして同じように誰かの力になりたいと思ったのも本当です。悩んでいると占い師はこう言いました。「私も何年も占い師をやっているけど、全部が全部当たるわけじゃない。時には当たらなかったって文句を言いに来る人もいる。それでもあなたみたいに気持ちが晴れた、救われたって言ってくれる人が居るから私も頑張れるのよ」と。そこでハッとしました。そうです。私は友人たちに褒められるような仕事がしたいんじゃない。自分を救ってくれた占い師と同じようにだれかの力になれる人になりたいのだと。

それからは占い師を目指すと自信を持って言えるようになりました。友人たちは馬鹿にし続けていましたが、それでも意思を変えない私に呆れたのか関わらなくなってきました。私は高校卒業後、あの占い師のもとに弟子入りしました。今は占い師のもとで占いについて学ぶ日々です。いつか先生と同じように人の力になれる占い師として活躍したいと思います。